私は「正式なWebサーバ」と「開発用のWebサーバ」を2台運用しています。
しかしインターネット回線は1つなので、
■80/443は「正式なWebサーバ」
■「開発用のWebサーバ」には新たなポート番号
を設定し、両方のWebサーバが使える様にしています。
ここではそのやり方を解説します。
1.事前知識
まず始めにブラウザからのアクセスとポート番号の関係を理解して下さい。
このサイトのドメイン名は「nw.myds.me」です。これを
①http://nw.myds.me
ポート番号:80でアクセスがきます。
②https://nw.myds.me
ポート番号:443でアクセスがきます。
③http://nw.myds.me:8443
ポート番号:8443でアクセスがきます。
すなわちブラウザはポート番号を指定した場合はそのポート番号、指定しない場合は「http」と「https」でポート番号を切り替える仕様となっています。
そこでこれを利用して2台目のWebサーバを立ち上げる事ができます。
しかしこのやり方は「DSM6系」と「DSM7系」でやり方が異なります。
下記にOS別にやり方を解説します。
2.DSM6系の場合
DSM6系では「日本語WordPress」、「phpMyadmin」、「WordPresパッケージ」等の総てのWebアプリケーションが「Webフォルダ配下」で管理されていました。
よって開発用サーバの「Web Station」に1つの設定を加えるだけで利用できます。
1.仮想ホストの設定
1)下記のアイコンをクリックしてください。
2)仮想ホスト画面を開きます
■「作成」ボタンを挿入します。
3)表示された画面に情報を入力します。
①「ポートベース」に✓を付けます。
②「HTTPS」に✓を付け、ポート番号を指定します。
上記の例では「8443」を指定しています。
このポート番号は必ずルータの中に定義し、転送先サーバをこのサーバにします。
③「参照」ボタンを挿入して「web」フォルダを選択して下さい。
このフォルダの中に「日本語WordPres」、「phpMyAdmin」、「WordPressパッケージ」があります。
④「HSTS」「HTTP/2」に✓を付けます。
HSTS:ブラウザにhttpsで通信することを求めます。
HTTP/2:ブラウザに「HTTP/2」プロトコールで通信する事を求めています。
⑤「バックエンドサーバ」と「利用するPHP」を選択します。
⑥OKを挿入すると仮想ホストが作成されます。
4)下記画面が表示されます。
2.アクセス方法
・phpMyAdminの場合
https://貴方のDDNS:8443/phpMyAdmin
・日本語WordPressの場合
https://貴方のDDNS:8443/フォルダ名
・WordPressパッケージの場合
https://貴方のDDNS:8443/wordpress
3.DSM7系の場合
DSM7系では
・日本語WordPress
「Webフォルダ」の下に配置されます。
・phpMyadmin、WordPresパッケージ
「web_packagesフォルダ」の下に配置されます。
に変更になりました。
よって「80/443」以外のポート番号でアクセスする場合は
・日本語WordPress用
・phpMyAdmin用
の様に複数定義する必要があります。
1)下記のアイコンをクリックしてください。
2)表示された画面の左ペインにある「Webサービスポータル」を選択します。
上記画面は「Web Station」と「phpMyAdmin」をインストールした後の画面です。
①デフォルトサーバ
ポート番号「80/443」が来たら「Webフォルダ」を見に行きなさいという設定になります。
又、この中に「バックエンドサーバ」と「利用するPHP」が定義されています。
②phpMyAdmin
phpMyAdminのアクセスが来たら「web_packagesフォルダ」を見に行きなさいという設定になります。
又、この中にアクセスするエイリアスを何にするかが定義できます。
3)上記画面の「作成」ボタンを挿入すると下記メニュが表示されます
上記メニュの解説です。
メニュ | 解説 |
仮想ホスト | 2.DSM6系の場合と同じやり方でwebフォルダへのアクセスを「80/443」以外のポート番号に変更する事ができますが、次のメニュの「デフォルトサーバの代替ポータル」を利用する方が簡単です。 |
デフォルトサーバの代替ポータル | 一覧にある「ディフォルトサーバ」の「80/443」を置き換えるポータルです。 |
パッケージサーバポータル | 一覧にある「phpMyAdmin」や「WordPressパッケージ」を「80/443」以外のポート番号で使う時に利用します。 |
以上、仕組みが判ったので具体例を下記に説明します。
1.デフォルトサーバの代替ポータルを定義する。
作成→「デフォルトサーバの代替ポータル」を実行します。
■HTTPSのポート番号を「9443」に設定しています。
このポート番号は必ずルータの中に定義し、転送先サーバをこのサーバにします
■HSTSに✓を付けています。
HTPS:ブラウザにhttpsで通信することを求めています。
「作成」ボタンを挿入すると下記のポータルが作成されます。
以上で設定が完了しました
<アクセス方法>
https://貴方のDDNS:9443/WordPressフォルダ名
2.パッケージサーバポータルでphpMyAdminのアクセス方法を変更する。
作成→「パッケージサーバポータル」→「phpMyAdmin」を実行します。
■ポータルタイプは▼から「ポートベース」を選択します。
■HTTPSに✓を付けポート番号を指定します。
上記の例では「9442」にしました。
このポート番号は必ずルータの中に定義し、転送先サーバをこのサーバにします。
■HSTSに✓を付けます・
HTPS:ブラウザにhttpsで通信することを求めています。
「作成」ボタンを挿入すると下記のポータルが作成されます。
■「9442」でアクセスが来ると、デフォルトポータルのphpMyAdminを実行する設定になりました。
<アクセス方法>
https://貴方のDDNS:9442
以上でSynologyのWebに80/443以外のポート番号が利用できるようになった筈です。